熊谷市小江川は、熊谷市の南西部、滑川町と接する地域である。平成19年までは旧江南町に属していたが、編入合併されて現在に至っている。小江川では、毎年3月第2土曜日にお獅子様の行事を行っている。
 小江川のお獅子様は、慶応4(1867)年の『御獅子御供米講中帳』(八枝神社文書313)に、2月15、16日に巡廻した記録がある。お獅子様の記録としては古い時代のものにあたり、お獅子様行事の草創期に、小江川ではお獅子様を行っていたことがわかる。また、その後、八枝神社からの出輿が安定する昭和初期には、3月15、16日に行っていた記録がある。小江川地区では、高根神社獅子祭、熊谷市指定無形民俗文化財としては「小江川獅子祭り」と称して、高根神社の祭りの一つとして行われている。

期日 平成27年3月14日(土)  時間 7:30~17:30  場所 熊谷市小江川  行事の現地呼称 獅子祭 


5 小江川での行事(直会)

 祈年祭・獅子祭の祭典後、直会が行われる。総代長挨拶、高根神社宮司挨拶などの後、総代の音頭で乾杯を行い、その後、弁当をいただきながら歓談となる。


6 小江川での行事(小江川高根神社出発)

 お獅子様は、最初に境内の地面に置き、荒々しく扱って地面を曳き回すようにして揉み、その後高根神社を出発する。


7 小江川での行事(地区内巡行)

 お獅子様は、おおよそ幟(狛狗大神)→万灯→お獅子様→賽銭箱→幟(高根神社獅子祭)の順で進む。基本的には走りながら進むものとされる。
 途中で、地区の人たちが沿道に出ていて、獅子頭を触ったりする。また、その賽銭箱に賽銭を入れ、お祓いをしてもらう。獅子の頭や鼻の孔を触り、その手で自分の身体の悪いところを触ると良いといわれる。
 また、途中で折々の場所では、お獅子様を台の上に安置し、宮司が修祓→祝詞を行ってお祓い式を行う。また、このとき周辺の人の参拝を受ける。 頼まれた家などでは、地面にお獅子様を置き、担ぎ棒を使って地面を曳き回すように荒々しく扱いながら揉む。
 同行する軽トラックには、袋詰めされたお菓子を積んでおり、沿道にいる人に配る。


8 小江川での行事(小江川高根神社到着)

 小江川を巡行してきたお獅子様は、高根神社に到着する。拝殿前でお獅子様を地面に置き、担ぎ棒を使って回転するようにお獅子様の底面を地面にこすりつけたり、お獅子様を中心に担ぎ棒を上下させて揉む。その後、拝殿前に安置させて、八丁締めを行って終了となる。