さいたま市見沼区膝子は、見沼区の南西部に、日光御成街道の大門宿と岩槻宿の中間に位置し、かつては街道沿いに宿次を為して立場の体を成していたという。また、膝子地内には、岩槻宿から1里の距離に一里塚があり、さいたま市指定史跡となっている。
 集落は、街道沿って岩槻寄りから膝子上組、膝子中組、膝子下組が位置している。基本的には3つの組がそれぞれ会館(集会施設)を持って行事を行っているが、膝子全体が、お獅子様行事のように3つの組で一体感を持ち行っている。
 お獅子様は、平心講の膝子講社が毎年4月中旬の日曜日に実施している。かつては4月15日に、緑区上野田を挟んで南に隣接する、さいたま市緑区寺山と共に行っていた。

期日 平成27年4月12日(日)  時間 7:40~17:00  場所 さいたま市見沼区膝子  行事の現地呼称 お獅子様 


1 膝子での行事(上組/膝子八幡神社到着)

 膝子の鎮守である八幡神社に到着すると、お獅子様は八幡神社拝殿に安置する。安置後、一同が八幡神社とお獅子様に参拝する。


2 膝子での行事(上組/膝子八幡神社出発・移動)

 八幡神社に安置し、参拝後、再びお獅子様はトラックに載せて、お獅子様を迎えに行く当番であった中組の膝子会館に移動する。


3 膝子での行事(中組/膝子会館到着)

 中組の膝子会館に到着すると、お獅子様をトラックから降ろして、担ぎ棒を外し、会館内に安置する。


4 膝子での行事(中組/獅子講準備)

 中組では、お獅子様が到着すると、膝子会館で獅子講と呼ばれる宴会を行うため、この準備を行う。


5 膝子での行事(中組/お札等の頒布)

 お獅子様は、膝子会館の縁側に安置させ、その隣でお札等の頒布を行う。


6 膝子での行事(中組/獅子講)

 中組では、お獅子様を安置してある膝子会館で、獅子講といわれる宴会を行う。


7 膝子での行事(中組/当番による巡行)

 獅子講の途中、お獅子様を軽トラックに載せて、組内の家を次々と回る。家に到着し、お獅子様を軽トラックから降ろすと、担ぎ棒を差し上げて、お獅子様の下を家の人々がくぐる。また、くぐる前には、当番が大麻で祓う。くぐった人には、お獅子様の一行の者から御神酒や供物をいただく。


8 膝子での行事(中組/巡行終了)

 巡行が終了すると、再び膝子会館に戻り、お獅子様を安置する。再び獅子講となり、いただいた御賽銭の集計を行うほか、会館内に貼ってあるお獅子様のお札の貼り替えを行う。


9 膝子での行事(中組/膝子会館出発)

 膝子会館には、下組がトラックでお獅子様を迎えにくる。中組では、お清めと称して御神酒を用意して迎える。トラックに安置させ、下組会館に向かう。この際、八枝神社から借りて来た幟、大麻、八枝神社からの御神酒、お札等も預かる。