フセギとは、悪疫退散を願う行事のひとつである。春祈祷とも呼ばれる。かつて平方では、南・下宿・上宿・新田の4地区の家々を回る行事であったが、現在では各地区ごとに行われ、神輿が家々を回ることもなくなった。上宿では、八枝神社から借り受けた「お獅子様」の入った神輿を上宿公民館に納め、参拝する形をとっている。前年度からの当番である、新当番の2人で氏子の各戸をお祓いして回る。新当番が上宿公民館に戻ると、直会となる。この行事で、若衆頭・当番の役員の交代が行われる。
 お獅子様を八枝神社に迎えに行く。旧当番(前年度の旧当番)が神輿を担ぎ、上宿公民館に納める。また、宮司から新当番(前年度の新当番)に地区内に配る「お札」と祓って歩くための「お祓い」が渡される。
3月2日(日)
 当番は、八枝神社宮司から地区内に配る「お札」と祓って歩くための「お祓い」を受け取り、各戸へ巡回を始める。当番2人で巡回し、ひとりが「お祓い(大幣)」を、もうひとりがお札箱を持つ。各戸では、オヒネリを用意しておき、当番に渡す。お札を渡し、玄関に出てきた者の頭の上でお祓いをして、次の家へ向かう。各戸を回り終えると、上宿公民館へ向かう。
3月2日(日)
 お祓いの巡回から戻った当番を迎え、役員の挨拶と当番の交代、若衆頭の挨拶などが執り行われる。その後、直会となる。この直会の準備は班が輪番制で行い、当番の班はカシキ番と呼ばれる。また、囃子連の演奏が行われることもある。
3月2日(日)
 直会後、お獅子様を八枝神社に返す。前年度の旧当番が担ぎ、お祓いを持つ新年度の旧当番(前年度の新当番)を先頭に八枝神社に向かう。お獅子様を神社に納め、手締めをして終了となる。
3月2日(日)