上宿の役員には、区の代表者である区長、区長を補佐する区長代理、財務を担当する会計などがあり、この3つの役員は「区三役」と呼ばれている。ムラ組織である上宿の内部には、さらに近隣組織の「班」が存在し、1班から10班まであるが、現在9班は欠番となっている。以前は「クミアイ」といい、主として冠婚葬祭などの時に機能するものであった。

 現在の祭りは、上宿全体の祭りなので、区の役員や各種団体の役員などが中心となって実行委員会を組織して主催している。実行委員長は区長が就任するのが通例で、委員は、区長代理や会計、保存会会長、神社責任役員、氏子総代、班長、若衆頭、当番、囃子連、愛育班、子どもの会などで構成される。
 実際の祭りを中心になって運営するのが若衆頭である。若衆頭は4人で、任期は2年である。任期2年目の年に次期の若衆頭を決めて、3月のフセギで新しい若衆頭が紹介される。新しく紹介された若衆頭は、1年間先輩の若衆頭と共に仕事をし、翌年から若衆頭として2年間の任期に入る。このため、見習い期間を含めると3年間、祭りの運営に関わることになる。
 若衆頭の主な職務は、どろいんきょが行われる祇園祭の実施であり、その準備のために3月から様々な仕事を行う。内容は、どろいんきょ当日までの各種関連行事・会合の司会進行や、神酒所となる家への挨拶回りなど、多岐に及んでいる。若衆頭の仕事には、おおよそ、次のようなものがある。
 

若衆頭の準備1
5月18日(日)
チラシ打合せ、提灯と幟旗の準備、役者決定連絡

若衆頭の準備2
5月25日(日)
提灯と電球の確認、提灯の電線仕分け、配線の確認

神酒所回り1
5月25日(日)

若衆頭の準備3
6月1日(日)
手ぬぐい配布準備、幟の組立
 
 

若衆頭の妻(母)の準備
6月1日(日)
献立決め、買い出し準備、人手確認

神酒所回り2
6月1日(日)

若衆頭の準備4
6月7日(土)
寄付願いの封書作り、チラシ折り

若衆頭の準備5当番の準備2
6月8日(日)
配布用の手拭い畳み、封書作り
 
 

行事の依頼
6月8日(日)

チラシ配り
6月8日(日)

若衆頭の準備6
6月14日(土)
告知回覧の作成、告知回覧の配布先確認

行事との打合せ
6月21日(土)
 
 

若衆頭の準備7
6月22日(日)
寄付金願いの配布、手拭い・ポスターの準備

ポスター貼り
6月28日(土)

若衆頭の準備8
7月6日(日)
ポスター貼り、幟立て、提灯点灯確認

中高生への説明会
7月13日(日)
 
 

若衆頭の準備9
7月19日(土)
案内板の設置、本部の準備、各班用の用具の準備

本部接待の準備
7月19日(土)
     
 当番は、上宿の年間行事の準備や世話をする役員で、祭りにおいては神事に関わる準備や世話をする。当番は2人1組で4人である。任期は2年で、1年目が新当番、2年目が旧当番という。新当番が主な当番であり、2年目の旧当番は新当番の指導役的立場にある。若衆頭同様に、3月のフセギで新しい当番と交代される。なお、フセギなどの年間行事においては、当番が取り仕切る。当番には若衆頭よりも若年者が選ばれるようになっており、当番を務め上げないと区長や若衆頭にはなれないとされている。
 当番の主な仕事で神事に関わるものとしては、3月のフセギや祭り当日の各戸へのお祓いや、どろいんきょをする際の先導役である幣束持ちなどがある。また、当番は、神事に関わる職務のほか、祭りに向けて若衆頭と共に各種準備を行い、実行委員会や祭り願いなどの会合に出席する。
 

当番の準備1
5月25日(日)
拍子木の紐の付け替え、幟旗の状態確認と防虫対策

若衆頭の準備5当番の準備2
6月8日(日)
配布用の手拭い畳み、封書作り

隠居神輿の移動
7月13日(日)

神輿縛り
7月13日(日)