本来、7月7日のお仮屋の日に行われていた祭りの準備は、南・下宿・新田の祭りの1週間前、上宿の祭りの2週間前に当たる日曜日に行っている。準備には、隠居神輿や大神輿、子ども神輿の飾り付け、町内の提灯飾り付け、本部設営、荒川周辺の草刈り、囃子屋台の組み立てなどがある。なお、現在は幟を立てていないため、幟竿立ても行わない。
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本部設営
本来、7月7日のお仮屋の日に行われていた祭りの準備は、南・下宿・新田の祭りの1週間前、上宿の祭りの2週間前にあたる日曜日に行っている。祭りの本部は仮設の小屋で、八枝神社の境内、鳥居を入ってすぐの左側に設営する。かつては、八枝神社の北側にある地蔵堂前に設営していた。本部は、祭りの受付や接待に利用され、祭り当日の早朝には、囃子連による朝っぱやしが行われる。本部の隣には、接待小屋が設営される。本部設営と合わせて、神社境内の提灯・電灯の設置を行い、囃子連は翌日のお仮屋の準備をする。 |
7月6日(日)
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提灯飾り
上宿公民館に用意した提灯を、上宿地区内の主な道路沿いに各班で分担して飾り付ける。八枝神社境内や夕方にどろいんきょをする神酒所などには、照明も取り付けられる。 |
7月6日(日)
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荒川周辺の草刈り
本来の行事ではないが、通例で行われている行事として、5班で行われる2回目のどろいんきょの最中、隠居神輿を担ぎ出し荒川に入ることがある。その準備のために、川に入る場所と川から上がってくる場所の草刈り、放水器を使った河床の清掃を行う。例年、自警消防団が担当する。 |
7月6日(日)
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囃子連屋台の組み立て
囃子連は、お囃子の演奏は神輿の渡御の際にはタカウマを使用するが、流し踊りや山車の引き回しの際には、屋台を使用する。準備の日には、囃子連が開平橋の下の広場を利用して組み立てる。屋台は牛車を改造したもので、柱や屋根、飾りを取り付ける。 |
7月6日(日)
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昼食と連絡
本来、7月7日のお仮屋の日に行われていた祭りの準備は、南・下宿・新田の祭りの1週間前、上宿の祭りの2週間前にあたる日曜日に行っている。祭り準備の参加者が昼食をとる。また、祭り翌日の片付けについてなど、連絡事項を確認する。 |
7月6日(日)
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隠居神輿の神輿縛り
隠居神輿の準備も、祭り準備の日に行う。隠居神輿は、御幣を納めるヤカタ、エボシの付いた屋根、担ぎ棒のトンボにより構成され、それぞれが分かれて、八枝神社の祭器庫に保存されている。これらを出して、境内で水洗いをする。 隠居神輿を水洗いしてから、縛り始める。隠居神輿の神輿縛りは、3つの部分が分解しないように縄で縛りあげる作業であり、技術を要する。そのため、数人しか作業を継承する人間はいない。近年では、10代~20代の若年層の参加があり、指導を受けて技術習得に励んでいる。 始めに、長さ約30m(20尋)の縄を4本用意して、屋根とヤカタ、トンボを4隅から縛り付ける。ヤカタとトンボはそれぞれ1つの角に対し、1本の縄で縛る。次に、屋根とトンボの部分を5重に巻く。このため、屋根とその下の担ぎ棒にはちょうど縄が5本入る溝が彫られている。5重に巻いた縄の中心付近を締め上げ、中心部分から上下に「8の字」に巻いていく。カナヅチで叩いて間を詰めながら作業を進め、おおよそ上下とも8の字が13~15回作れるという。最後にヤカタの上下を2本の縄で2重に巻いて、固定する。縛り終わった隠居神輿は、本来であればお仮屋に納めるが、現在は祭器庫に納め、四町内祭りの日に飾り付ける神輿ともに、上宿の祭りの1週間前の日曜日にお仮屋に納める。 |
7月6日(日)
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子ども神輿・大神輿の準備
現在、上宿の夏祭りでは、神輿・隠居神輿・子ども神輿・大神輿の4基の神輿が出ている。このうち、大神輿は飾られて安置され御幣を納められるが、渡御されることはなくなっている。かつては、この大神輿を担ぎ出して渡御を行っていたが、大正12年の夏祭りの際に大破して以来、祭りの神輿の中心は大神輿よりも一回り小さいものに移った。さらに復活後は、修理されるものの、人手不足によりお山出しとお山納めの時だけ担ぐようになり、現在では担ぎ出されることもなく、祭りの最中は祭器庫脇のテントの下に安置されている。 祭り準備の日に、祭器庫から子ども神輿と大神輿を出して、飾り付けをする。なお、子ども神輿は、渡御の途中で抜けることになっている。 実際に上宿が渡御で使用する神輿は、例年、中型の神輿の中で一番大きいものとされており、四町内祭りから神輿が帰ってくるのを待ち、神輿飾りとなる。新・旧の当番が、八枝神社の神楽殿で宮司や相談役の指導を受けながら神輿を飾り付ける。飾り終わると、神楽殿にそのまま納める。 |
7月6日(日)
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隠居神輿の移動
隠居神輿を神楽殿に運ぶ。 |
7月13日(日)
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神輿縛り
新・旧の当番が、八枝神社の神楽殿で宮司や相談役の指導を受けながら神輿を飾る。例年、上宿では中型の神輿の中で一番大きい神輿を使用するため、四町内祭りから神輿が帰ってくるのを待ち、神輿飾りとなる。縛り終わると、神楽殿にそのまま納める。 |
7月13日(日)
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軒提灯
かつては、お仮屋の日から祭りの日まで、各家では軒先に「御祭礼」と書かれた軒提灯をつるしていた。今でもいくつかの軒先では、軒提灯をつるしている。 |
7月7日(月)
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お仮屋
7月7日はお仮屋の日である。本来は「仮屋」を作り、祭神を神輿に移して、お仮屋に遷座するものであった。この日に神輿の準備や幟竿立てなどを行っていたが、現在、祭りの準備は、南・下宿・新田の祭りの1週間前、上宿の祭りの2週間前の日曜日に行っている。 現在では、夕方から囃子連が「お仮屋」といって、八枝神社の神楽殿で囃子の演奏を行う。飲食をしつつ、休みながら演奏し、区や神社の役員、若衆頭や当番などが挨拶に来る。以前は、この日から夏祭りの前夜まで、毎晩行ったといい、今ではこの日から囃子連・子ども囃子の囃子の練習が始まる。なお、囃子の曲目は「ニンバ(ひょっとこ)」「ヤタイ(屋台)」である。 |
7月7日(月)
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神輿のくじ引き・神輿縛り(南・下宿・新田)
四町内祭りは、平方4地区の祭りで、天王様とも呼ばれる。本来、4地区が合同で行っていた祭りが、戦後に別々に開催するようになり、現在では上宿の祭りが南・下宿・新田の祭りの翌週に行われるようになった。なお、上宿も祭典はこの日に行っているため、祭典と神輿の渡御が別々の日に行われるようになっている。 なお、現在では、四町内祭り神輿くじ引きと神輿飾りは、上宿地区の祭り準備の日と同じ日に行っている。四町内祭りで担ぐ神輿を、南・下宿・新田の3地区の代表者がくじ引き(抽選)をして決定する。くじ引きの後は、各地区の神社総代や役員が神輿を清掃し、飾り付けをする。全ての神輿飾りが終わると、神輿を神楽殿に納める。 |
7月6日(日)
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四町内祭り祭典
四町内祭り当日は、平方3地区の氏子総代や若い衆が八枝神社に集まり、祭典料を納める。その後、神輿が納めされた神楽殿の前で祭典が執り行われ、南・下宿・新田に神輿の渡御となる。 |
7月13日(日)
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南地区の祇園祭
午前中に八枝神社から借りた神輿を平方南集落センターに安置し、午後に天王講・直会となる。直会の後、神輿を八枝神社に返す。 |
7月13日(日)
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下宿地区の祇園祭
八枝神社から下宿公民館への途中、上宿地区との境である橘神社付近から囃子連の屋台が同行し、囃子を演奏する。下宿公民館に神輿を安置すると、囃子屋台が地区内を巡行する。囃子屋台が公民館に戻ると、直会となる。その後、神輿を八枝神社に返す。なお、囃子の曲目は「カマクラ(鎌倉)」「コモリウタ(子守唄)」「ショウデン(昇殿)」「ヤタイ(屋台)」などがある。 |
7月13日(日)
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新田地区の祇園祭
八枝神社から借りた神輿を平方新田集落センターに安置する。移動の途中、囃子連がタカアシで囃子を演奏しながら進む。タカアシは、上宿のタカウマによく似ていて、移動しながら囃子の演奏ができるものである。また、囃子連は神輿を集落センターに安置した後、トラックにタカアシを載せ、地区内を演奏しながら回る。囃子連が戻ると天王様・直会となる。その後、神輿を八枝神社に返す。なお、囃子の曲目は、「ヤタイ(屋台)」「ニンバ(ひょっとこ)」「カゾエウタ(数え歌)」「カマクラ(鎌倉)」などがあり、特に決まりは設けられていない。 |
7月13日(日)
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愛育班が中心となり開かれる女性の集会では、流し踊りの練習が行われる。流し踊りは、1回目の二班神酒所でのどろいんきょの途中に行われる山車の引廻しの前に行われ、踊り手が大通りを八枝神社の前から橘神社の前まで一列になって踊り進むものである。
流し踊りは、列を作り八枝神社前を出発し、大通りを橘神社の前まで進むため、リハーサルでも本番と同様に行う。 |
7月13日(日)
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