藤波地区の餅つき踊りは、四人一組でつくのが基本となります。演目は、「餅つき」と「曲づき」に大別されます。「餅つき」は比較的軽い杵を使い、実際に餅をつきながら踊るもので、演目は立ちボーウチ、座りボーウチ、餅殺し、一本抜き、七五三、早づき、八人づきがあります。なお、立ちボーウチと座りボーウチは、この地域の麦作の作業歌である麦打ち唄に合わせてつきます。「餅つき」の基本は餅殺しで、一本抜き、七五三、早づき、八人づきはその変形となります。一方、「曲づき」は「餅つき」が終わった後に、さらに細く軽い杵を使って、空の臼の周りで演じるもので「獅子追い」「寝ず」などの演目があり、高度で複雑な動きをする踊りです。
　なお、藤波の餅つき踊りでは、餅つきの合間に、万作踊りが上演されるものでした。豊年万作踊り、銭輪踊り、伊勢音頭などを伝承しています。