収録日 平成19年12月14日(金)・15日(土)収録場所 上尾市コミュニティセンター 上演団体 藤波のささら獅子舞保存会
- 演 目
- 楽 器
- 道具・着装・舞い方の要点
- 歌
- 出演者
-
藤波のささら獅子舞は基本的に1曲形式です。この基本は十二切といわれる演目で、神の庭と呼ばれる神社で最初の庭とその次の庭で演じられます。このほかに四切、八切があります。これらは数字が小さくなるほどコンパクトになります。
最初の猿若・雌獅子・中獅子・雄獅子の登場では、この順番に舞庭に登場します。花見では、岡崎を花に見立てて獅子が見て歩きます。廻りざさらでは、獅子と猿若が舞庭の中央付近で向かい合ったり、背を向け合ったりする内容となります。歌・デーヅクシでは、歌は2つで、その間がデーヅクシとなり、笛と舞の見せ場といわれます。花廻り・雌獅子隠しでは、獅子と猿若がほぼ同じ動きの様式的な舞となりますが、ここからはそれぞれの役のある演劇的な舞となります。花廻りといって岡崎の間を獅子と猿若が廻るなか、雌獅子が岡崎に挟まれて隠れたことに見立てます。これを中獅子と雄獅子が探して争い、最後は仲良く和解し掛け声のような歌で終了となります。 -
太鼓は、締太鼓で獅子が腰に着けます。紐で締めているため、上演するごとに専用の棒を挿し込んで締め直します。紐の見える部分には、締め終わると獅子の水引と同じ柄の布を巻きます。太鼓の着装は、腰に太鼓を縛り付け、さらにその上から袴の後の紐を縛り付けます。なお、太鼓は通常のとおり叩くほか、歌の際には胴を撥の側面で叩きます。
笛は、6孔の篠笛です。吹き穴までの部分は、紙を詰めて音を調整します。右利きの場合、一般的には左手で吹き口側の3孔を押さえ、右手で残りの3孔を押えます。ここでは道中笛・岡崎の一節を収録しています。
ささらは、篠竹の先を細かく割ったものを「ささら」といい、煤竹で作られた鋸状の「簓子」とセットになります。太鼓を右で叩く場合は、手前に引いて音を出し、左で叩く場合は押して音を出します。 -
獅子頭は、雄獅子は角に赤色の螺旋状の溝、中獅子は角に金色の螺旋状の溝、雌獅子は頭上に宝珠を戴きます。猿若は、面に笠を被り、腰にひょうたんを付けます。
獅子頭を被る際には、頭の上に小さな座布団状のものを挟んでかぶり、さらしであごに括り付けて固定します。また、獅子頭の後部についている止め紐を、袴の後部に縛ります。そして袴の後部には、雄獅子は紫色、中獅子は黄色、雌獅子は赤色の御幣を挿します。また、猿若は白色の御幣となります。
舞い方の要点については、花見・廻りざさら・デーヅクシ・雌獅子隠しについて収録しています。なお、頭・面を着装せず、身体の動きがよくわかるようにしています。 -
歌の種類には、天王様・八切・お寺様・区長様・天神様があります。このうち天神様は、演目の歌・デーヅクシで収録しています。
天王様 1 十七が参ろ参ろと思えども 橋はしき橋跳ぶに跳ばれず
2 十七が黄金社だんに手を掛けて 何を祈るや今の若さに
八切 1 千早振る庭のいさごを踏み分けて 神へ参るも後の世の為
2 此処は何処盛る都の宮なれば 氏子集まり神をいさめる
お寺様 1 お寺様飛騨の匠が建てやら 四方鴨居が楔一つで
2 めぐり来てこれのお庭を眺めむれば 牡丹芍薬花で輝く
区長様 1 めぐり来てこれの厩を眺むれば 繋ぎ揃えて駒が七匹
2 七匹の中に立ちたる黒の駒 諸国諸大名かくや足しがき -
演目
舞い手 高澤 政隆(猿若) 大木 晴夫(雌獅子) 柳川 武志(中獅子) 渡辺 英雄(雄獅子)
笛 高澤 利三郎 高澤 仁治 篠田 勝利 柳川 精延 高澤 泉 高澤 義信 高澤 浩徳 柳川 幸助 岡野 和弘
岡崎 萩原 美樹男 萩原 琢 萩原 大雅 柳川 日出記
警固 大木 一夫 渡辺 祥寿 萩原 憲 増田 靖一
歌 萩原 年雄 大木 健美 柳川 竹永
楽器
太鼓の音の調整/着装 大木 一夫 渡辺 祥寿
太鼓の着装/解説 増田 靖一
笛の解説 高澤 利三郎
笛 高澤 利三郎 高澤 仁治 篠田 勝利 高澤 浩徳 柳川 幸助 岡野 和弘
道具・着装・舞い方の要点
雄獅子の着装 萩原 憲 渡辺 英雄
舞い手 上松 健司(猿若) 増田 靖一(雌獅子) 柳川 武志(中獅子) 萩原 憲(雄獅子)
岡崎 渡辺 英雄 大木 晴夫 萩原 琢 渡辺 裕樹
歌
高澤 静一 萩原 年雄 大木 健美 柳川 竹永
撮影協力
萩原 雄治 大木 清光 渡辺 明 萩原 美樹男 上松 健司