畔吉諏訪神社
【大山講と大山灯籠】
畔吉地区には、諏訪神社の境内に、木製の灯籠ではなく、石灯籠が常設されている。
畔吉東部・前原・新田・雲雀の四区から、各二人の若頭の年番が選ばれ、合計八人で行事を行う。畔吉諏訪神社では、石尊様灯籠と呼んでいる。
【灯籠始め】
七月二十七日の朝に「石尊様灯籠始め」として、大山灯籠行事を行う。また、ささら獅子舞の獅子頭や衣装の土用干しも同時に行っている。灯籠を立てた後は、慰労会が開かれる。
【構造と灯明】
領家地区同様に、石灯籠が常設されているため、立てる作業はない。灯明は、灯籠始めから灯籠倒しまでの間、毎夕、ろうそくで火を灯す。この当番も、同じく年番の各地区の若頭二人が持ち回りで行っている。
火袋の正面に「天狗の団扇」、左右にそれぞれ「日」・「月」の透かし彫りがある。竿部正面には「大山石尊大権現」と大きく刻まれ、基礎正面に「畔吉村中」とある。背面には、「元治元(一八六四)年子歳六月吉日」の紀年銘と製作石工である「上尾宿石工伊三郎」と刻まれている。
【設営】
灯籠を囲むように四隅に金棒を打ち込み、それを支えに竹を立てる。竹は根本から二メートル程度のところまで枝を落とし、そこに荒縄を二重に張る。張った荒縄に八丁注連を四面に各二枚飾り付ける。次に火袋の窓四面に半紙を貼る。なお、ろうそくを入れる口は、上部だけを糊付けする。
【灯籠倒し】
灯籠始めから約一週間後、灯籠を倒す。平成二十五年度は、八月四日に行った。