領家地区
【大山講と大山灯籠】
 領家地区全体からの当番四人、さし番四人の合計八人が大山灯籠行事を担当している。かつては講が存在したが、現在は存在せず、その当時を知る人はいない。

【灯籠立て】
 七月下旬に「灯籠立て」を行う。平成二十五年度は、七月二十六日の午後に行っている。その日の朝に竹を採り、午後に灯籠を立てる。灯籠立ては、当番とさし番が中心となって行う。

【構造と灯明】
 領家地区の大山灯籠は、木製の灯籠ではなく、石灯籠が常設されている。火袋の奥に「三つ穴紋」が、左右にそれぞれ「日」・「月」の透かし彫りがある。竿部正面には「阿夫利神社」と大きく刻まれ、基礎正面に「奉納」とある。右側面には「明治三十六(一九〇三)年一月吉日」の紀年銘、左側面には願主名と製作石工である「川越 石工富沢久助」と刻まれている。
 灯明は、飾り付けたその日にだけ、ろうそくを灯すが、その後は、特に火を灯す当番はない。

【設営】
 石灯籠は、現在は農村センターに設置されている。灯籠立て当日の午後、農村センターに当番が集まり「灯籠立て」を始める。灯籠は石製のため、組み立てはない。朝に採り、準備しておいた竹を、灯籠の周囲を囲むように四本立てる。この竹に注連縄を二段に張る。上段の注連縄に紙垂を飾り付け、灯籠の竿に御幣を立て、固定する。食物や御神酒などをお供えして、祓詞をあげ、拝礼をした後に、灯籠に火を灯す。灯籠を立てた後は、簡単な直会を行う。

【灯籠倒し】
 灯籠立てから約一週間後に「灯籠倒し」を行う。平成二十五年度は、八月二日の午後に行った。灯籠を飾った竹、注連縄、御幣を撤去する。灯籠倒しは、当番のみで行い、簡単な直会がある。