天神氷川八幡合社
【大山講と大山灯籠】
 藤波地区では、現在、鎮守である天神氷川八幡合社で、大山灯籠行事を行っている。大山講の関連行事とされ、大山阿夫利神社を石尊様ということから、大山石尊様の灯籠と呼ばれている。この行事は、神社の氏子総代の四人が中心となって行う。
 現在、講員の高齢化にともない講は解散し、代参は行われていない。かつて代参者は、くじによって決められていた。平成になってからは、希望者が代参していたという。また、出世の神様といわれ、二十歳になった者が代参に同行したという。代参をする日は、御師の都合に合わせて決めていたため、特定していなかった。

【灯籠始め】
 七月二十七日を「灯籠始め」といい、昼過ぎに灯籠を立てる。


【構造と灯明】
 灯籠は、組立式で、火袋の部分が金属製、竿が木製である。
枠にガラスをはめた街灯風のつくりになっている。灯明は、神社の氏子総代四人が、五日交代で毎晩、灯籠にろうそくを灯している。かつては、藤波のすべての家に順番に油が回って来て、一軒が一晩火を灯したという。

【設営】
 神社境内にある、狛犬の脇に立てる。灯籠の周囲に竹は立てず、注連縄は張らない。灯籠は、立てる前に清掃する。

【灯籠仕舞い】
 八月十七日の夕方に灯籠を倒す。これを「灯籠仕舞い」という。最後に灯籠に火を灯し、灯明が消えるまで、氏子総代四人は飲食をしながら待機する。以前は、社務所で飲食をしていたという。