中分中組講社
【石尊講と大山灯籠】
 中分中組の袋地区と小谷津地区では、石尊講の講社が、大山灯籠行事を行い、石尊様とも呼ばれている。講中から選ばれた当番、袋地区と小谷津地区で二人ずつの四人が行っている。
 また、現在も毎年、石尊講による代参が行われている。一月二十四日のお精進の際に、講員の名前の書かれたくじを引き、その年に代参をする二人を決める。初め、くじは講員の数だけあり、代参した人から抜けていく。そのため、すべての講員が代参を終えると、新たにくじを作ることになる。現在、講員は二十一人のため、およそ十一年に一度くじを作っている。大山には、中分上組の冠木地区・糀谷地区の石尊講から選ばれた一人と計三人で代参している。なお、冠木地区・糀谷地区では、大山灯籠は立てていない。

【灯籠立て】
 七月二十七日の昼食後、午後三時くらいに立て始める。当番四人で行い、作業終了後は直会となる。期間は、講員の人数分である。

【構造と灯明】
 灯籠は、木製の組立式で、灯籠を囲む木柵がある。灯明は、かつては菜種油の灯明皿を使っていたが、現在ではオイルランプを使用している。灯明番は、講員が毎日交代で行うため、すべての講員の担当が終了したら、灯籠を片付ける。なお、火袋には、「大山石尊大権現」と銘のある奉納木太刀が張り付けられている。

【設営】
 中分公民館の敷地内に立てる。以前は、路傍に立てていたという。木柵を設置し、灯籠を立て、木柵の四隅に竹を立て、その竹に注連縄を二段に張り、紙垂を飾り付ける。

【灯籠倒し】
 八月十八日の朝に、袋地区と小谷津地区から当番が一人ずつ出て二人で灯籠を片付ける。