向山氏子会(本村地区)
【大山講と大山灯籠】
 向山の本村地区では、古くから住む人たちで構成される向山氏子会の本村地区の家が中心となり、大山灯籠行事を行っている。本来、大山講の行事であり、現在は代参を休止しているが、かつては大山講の講員の中から四人くらいが代参していた。
 大山灯籠のことは「灯籠」と呼んでいる。灯籠番は、旧大山講の講員の家並み順に五軒ずつが一年交代で担当している。

【石尊様灯籠立て】
 灯籠を立てることを「石尊様灯籠立て」という。七月二十四日の朝に行う。

【構造と灯明】
 灯籠は、木製の組立式である。灯明は、電球であり、七月二十五日から八月十七日まで、夕方から翌朝まで明かりを灯す。点灯と消灯を行うのは、灯明番である。灯明番は一晩で交代し、灯籠番と同じように旧大山講の講員の家を家並み順に行うことになっている。灯明番の家には、「大山 阿夫利神社 御神燈番」と墨書された板を回している。

【設営】
 現在は、稲荷神社境内に立てている。かつては、神社に向かう道路沿いにある幟枠付近に灯籠を立てていた。神社境内には、昭和四十年代以降に立てるようになったという。
 灯籠と竹を立てる穴を掘り、次に灯籠を神社裏にある倉庫から出し、清掃する。灯籠の竿、笹竹の支えを立て、火袋を載せる。灯籠を囲むように、四方に竹を立て、注連縄を二重に張り、紙垂を飾り付ける。
 また、灯籠の中に幣束を納める。この幣束と紙垂は、七月中旬の日曜日に行われる祇園祭の際に、神職から貰い受けている。

【灯籠仕舞い】
 灯籠を倒すことを「灯籠仕舞い」という。八月十八日の朝に行う。このとき、稲荷神社の清掃も行う。