西門前大山灯籠保存会
【大山講と大山灯籠】
 西門前地区では、古くは原組、中原、上組でそれぞれ大山灯籠行事を行ってきた。現在では、原組(現在の西門前の一班)を中心とした家々のみで行っているため、保持団体である大山灯籠保存会は十軒の家で構成されている。
 また、西門前の大山灯籠は、庚申塔の隣に立てることから「庚申様」とも呼ばれている。

【灯籠始め】
 七月二十六日を「灯籠始め」といい、夕方に保存会員が集まって灯籠を立てる。灯籠を立てた後は、懇親会が行われる。

【構造と灯明】
 灯籠は、金属製の火袋と木製の竿の組立式である。灯明はろうそくであり、灯籠を立てている期間は、保存会員で順番を決めて毎晩、火を灯している。

【設営】
 灯籠は、庚申塔の隣に立てる。灯籠を立てる穴は常設され、普段は石柱で閉じられている。最初に竿を立て、火袋を設置し、次に四方に竹を立て、注連縄を張るのと同時に竹を火袋に固定する。注連縄に紙垂を飾り付け、庚申塔の覆屋の柱に御幣を立て、灯籠の下に御神酒を供える。火を灯し、保存会員が一人ずつ拝礼を行う。なお、使用する竹は、庚申塔のある家の裏山のものを使用する。

【灯籠じまい】
 灯籠を片付けるのは八月十七日で「灯籠じまい」という。灯籠始め同様に保存会員が集まって行い、終了後に懇親会がある。