町谷区
【大山講と大山灯籠】
 町谷地区では、現在、町内会である町谷区で大山灯籠行事を行っている。大山灯籠のことは石尊様、石尊講と呼んでいる。かつて講であったころは、大山阿夫利神社に代参をしていたが、現在は行っていない。もともとは古くからの農家が行っていたものを、四十年程前から区で行うようになった。

【石尊様】
 七月二十六日を「石尊様」といい、灯籠を立てる日である。現在では、七月二十六日より後に立てることもある。当日の午前中に、町内会の役員が二十人ほどで行い、立てた後は、公民館で懇親会が行われる。

【構造と灯明】
 灯籠は、木製の組立式である。灯明は、現在電球を自動点灯させている。かつては、町会の役員が交代でろうそくに火を灯していた。

【設営】
 町谷区公民館敷地内に立てる。灯籠を立てる穴は常設され、普段は蓋が閉じられている。灯籠を囲むように、竹を四方に立てる。竹はおおよそ三メートルの孟宗竹を使用し、近くの住人から貰い受けている。また、囲んだ竹の下部には、適当な長さに切り、細く割った竹を複雑に縛り付けて囲いを作る。竹に注連縄を張り、紙垂を付けて、灯籠の竿の中心辺りに御幣を固定する。
 なお、紙垂は神社から貰い受けるのではなく、当日公民館にて作成する。

【石尊講仕舞い】
 八月十七日を「石尊講仕舞い」といい、灯籠を片付ける日である。灯籠を立てた時と同様に、午前中に役員が集まり行う。